皮の部分も栄養豊富、人気メニューに欠かせない ニンジン

人参

ほぼ一年中食べることができ、カレー、肉じゃが、サラダ、スープなど人気のメニューに欠かせない人参は、その栄養価の高さにおいても人気です。親しみやすい野菜でありながらも、意外に知られていないことも多い実は奥の深い野菜です。

原産と品種

人参の原産は、中央アジアのアフガニスタンにあるヒンズークシ山脈の麓で、2000年前にはすでに栽培が始まっていました。古代ギリシャでは薬として栽培され、その後ヨーロッパ全土に広まっていきました。一方で人参は東洋にも古くから広まっていました。東洋ルートの人参が中国に伝わったのは13世紀ごろ、その後改良されたものが日本にも渡来しています。その後西洋ルートの人参も江戸時代末期には長崎に渡り、そのときの品種がその後日本で多く栽培されるようになった五寸人参の元の品種です。先ほどの東洋ルートの人参で現在残っている品種は金時にんじんと呼ばれる品種です。

栄養と食べ方

人参の鮮やかなオレンジ色を生み出している成分はβ(ベータ)カロテンです。人参(carrot)の名前の元となっているβカロテンは人参から発見された成分であり、西洋人参に多く含まれています。βカロテンは人間の体内でビタミンAに変わります。ビタミンAは、体の成長を促し、視力や目の角膜を強め、皮膚や粘膜にも作用することで免疫力を高めます。このβカロテンは身の内部よりも、表面の皮の部分に多く存在しています。皮を剥きすぎるとこのβカロテンを多く含む部分を捨てることになりますので、注意が必要です。もともと人参は出荷される前の段階で泥と一緒に薄い皮まで洗い落としてしまいます。そういった意味でも皮を厚くむく必要はないのです。またこのβカロテンは、油に溶ける性質を持っているので、油で炒めて調理することにより、吸収率がアップします。ただ、このβカロテン、含有量が多いのは西洋ルートの人参のみです。東洋ルートで現存する金時にんじんなどは、リコピンという成分が含まれているのが特徴です。リコピンはトマトにも含まれる栄養素で、抗酸化作用が強く、細胞の老化を防ぐ働きがあると言われています。

選び方・保存の仕方

人参を選ぶ時にはヘタの周辺の色を注意してみましょう。青や黒ずんでいるものは避けたほうが良いです。人参そのものを見るときは、全体が硬く締まり、表面が滑らかなものを選ぶのがポイントです。またあまり太い人参は避けたほうがいいと言われている理由は、太すぎるにんじんは中心の芯の部分が硬くなっていることがあるためです。保存する時の理想は、5度くらいに保たれた冷暗所。冷蔵庫に保存する場合には立てて保管するのが新鮮さを保つコツです。

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つねご

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