ワインの産地といえばヨーロッパを中心として、その多くが北半球に集中する中、近年注目を集めているのが南アフリカワインです。
南アフリカワインの歴史
南アフリカのワインの歴史は、オランダ東インド会社の食料補給地として南アフリカを訪れたオランダ人によって始まりました。ブドウの栽培が始まり、南アフリカワインが誕生したのは1659年の事です。その後は、フランス人の移住をきっかけとして、ワイン製造技術の向上とともに産業としても発展をみました。しかし20世紀後半には、アパルトヘイト政策に対する国際経済制裁もあって輸出量が減りました。その後、世界的に南アフリカのワインが流通するようになったのは1990年のこと。アパルトヘイト反対運動の象徴であるネルソン・マンデラ氏が27年に及ぶ投獄から釈放され、民主化が促進されるなどにより、南アフリカワインが国際社会に受け入れられるようになったのです。
南アフリカは、アフリカ大陸の最南端にあり、地中海性気候に当たるため、ブドウ生育に必要な寒暖差の大きさ、収穫時期の雨の少なさ、十分な日照時間という条件を満たしており、海に面した地域の強風は、ブドウの病気を防ぐ味方となり、薬品などに頼らないブドウ生産が可能なのも、南アフリカワインの特徴の一つです。
南アフリカワインの産地
南アフリカにおけるワインの産地としてまず注目されるのが、西ケープ州です。ユネスコの世界遺産「ケープ植物区保護地域群」の名前で登録されているケープ地区では、環境を守りながらワインを生産するワイン産地として国際的に高い評価を受けています。西ケープ州にある代表的なワイン産地であるステレンボッシュ地区は、17世紀半ばからワイン生産が行われていた南アフリカの中でも中心的な産地と言えます。カベルネ・ソーヴィニョン種などのブドウを原料とした赤ワインの生産が盛んに行われています。町外れには多くのワイナリーが点在し、観光施設も充実しているなど、ワインツーリズムの先駆けとしても知られています。
その他にも、ステレンボッシュの北側に位置するパール地区や、スワートランド地区、フランシュック地区など多くのワイン産地があります。
南アフリカワインの特徴
南アフリカワインは、フランスのワインスタイルを目指して発展を遂げてきた歴史を持つことから、フランスワインの繊細さを持ちながら、南アフリカ独特の、ワイン作りに恵まれた気候や土地環境による果実味溢れる力強さを持ち合わせた、高品質なワインという特徴があります。コストパフォーマンスに優れたワインとしては世界の1,2を争う存在と言えるでしょう。また、環境に配慮したワイン作りが行われていることも特徴の一つで、政府により世界でもっとも厳しい環境基準が設けられており、リサイクルの徹底や水源の維持など、環境や人に優しいワイン造りが行われています。
さらに2010年からは、品質、産地、品種やヴィンテージなどを保障するとともに、持続可能な農業の認定を受けたことを証明する「品質保証と持続可能シール」が導入されるなど、ワインの品質保障だけではなく環境にも最大限配慮して取り組みが行われていることが大きな特徴となっています。
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