最先端の栽培・醸造技術で自由なワイン作りのアメリカワイン

高品質なワインというとヨーロッパで作られたものというイメージが未だに強い中、アメリカのワインはその概念を打ち破るエネルギーを持った、魅力溢れるワインです。ワイン生産量世界第4位を誇るアメリカのワインは、高級な長期熟成ワインからカジュアルに楽しむ事ができるテーブルワインまで、自由でバリエーション豊富なのがその特徴です。

アメリカの気候・歴史

アメリカでのワイン作りの歴史はまだ新しく、18世紀にアメリカにやってきたローマカソリック教会のスペイン人修道士たちが、ミサで使うワインを生産し始めたのがその始まりとなっています。その後アメリカでのワインの歴史に大きく影響を与えたのが、ゴールドラッシュと禁酒法です。19世紀半ばに到来したゴールドラッシュによってワインの需要も増え、北部カリフォルニア地域ヴィティス・ヴィニフェラ系のブドウの栽培が本格的に始まりました。

しかし、19世紀の終わりにはブドウの天敵とも言われる害虫「フィロキセラ」により、カリフォルニアワインは壊滅的な被害を被りました。さらに、20世紀になっても受難の時代は続きます。1920年から13年間も続いた禁酒法によって、カリフォルニアワインの生産も停止されたことから、丹精込めて育てたブドウ達も行き場を失い、農場も荒れてしまうなどの状況に陥りました。

やがて禁酒法が終わりを告げ、やっと生産が再開されたのですが、やはりすぐには高品質なワインを造るためのブドウも出来ず、当初は安価なブレンドワインの生産から始まりました。その後、既成概念にとらわれないアメリカらしい自由な発想が、栽培技術や醸造法に革新的な進歩をもたらし、高品質なワインが生産されるようになったのです。

カリフォルニアワインが、その品質と味わいで一躍有名になったのが、1976年の「パリスの審判」です。アメリカ独立200周年を記念して、フランスとカリフォルニアのワインのブランドテイスティングがパリで行われたのです。審査員には当時のフランスを代表するワイン関係者が選ばれ、当初は当然のようにフランスワインが圧勝すると予想されていたのですが、蓋を開けてみれば著名なフランスワインを抑えて、当時無名なカリフォルニアワインが赤白ともに優勝したのですこの「パリスの審判」ワイン業界で語り継がれている出来事であり、これを契機にアメリカワインが大きな成長を迎えることとなったのです。

アメリカは、ヨーロッパとはワインの生産体制が大きく異なっていて、ブドウ栽培とワイン醸造業が分業であり、各々が切磋琢磨して新しい技術を研究開発・導入を推進し、それぞれが協力する体制をとっていることが特徴です。

アメリカワインの生産地

アメリカでは、その全ての州でワイン生産が行われていますが、その中でも屈指のワイン生産地はカリフォルニア州であり、実にアメリカワイン全体の約90%にのぼります。カリフォルニアワインの産地と言えば、高級な赤ワインで有名なナパ・ヴァレー、白ワイン産地のソノマが有名です。ナパ・ヴァレーでは赤ワインに適したカベルネ・ソーヴィニヨン、ソノマでは白ワイン用品種であるシャルドネなどのほか、ピノ・ノワールなどの赤ワインに適したブドウも栽培されています。
カリフォルニア州以外では、ニューヨーク州、オレゴン州、ワシントン州でもワインが生産されており、近年評価が上がってきています。
主なブドウ品種としては、白はシャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、シュナンブラン赤は、カベルネ・ソーヴィニョン、ジンファンデル、メルローです。特に太陽の光をたっぷり浴びてた、果実味たっぷりのカリフォルニアのカべルネ・ソーヴィニョンをイメージする人が多いかと思います。

 

アメリカワインの特徴

アメリカの気候はヨーロッパに比べて温暖なことから、ヨーロッパと同じ品種のブドウであっても、醸造されるワインの味わいにも違いが出てきます。力強く完熟味があり、酸味も柔らかで味わい豊かなのがアメリカワインの特徴です。そして、高級ワインだけではなく、手頃で気軽に美味しく飲めるテーブルワインなども生産している、バリエーションの多さもアメリカワインの特徴と言えるでしょう。

アメリカワインはこんな時に!

アメリカワインには、カジュアルなタイプから高級なタイプまで幅広く存在するので、色々な場面で飲む事が出来ます。
カジュアルなワインはストレートな味なので、シンプルに味付けした料理がおすすめです。特にバーベキューやパーティーの時に、皆でワイワイと飲むときに適しています。
高級なワインはプレゼントに最適です。伝統のヨーロッパワインとは違う、自由で革新的なアメリアの高級ワインは独特な雰囲気があるので、特に若い経営者の方に人気があります。

アメリカワインに合う野菜レシピ

 

知っておきたいアメリカワイン

『カリフォルニアワインの父』ロバート・モンダヴィのワインです。カジュアルなワインから高級ワインまで幅広いラインナップがあるので、気分と予算に合わせて選んでみては。その中でもプライベート・セレクションのシリーズは、味と価格のバランスが非常に良いワインです。

アメリカの高級ワインと言ったらこれです。シャトー・ムートン・ロスチャイルドを所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵と、カリフォルニアワイン界の重鎮、ロバート・モンダヴィのドリームタッグで作られたワイン。フランスとアメリカの最高峰が作るワインは「1本のワインは交響曲、一杯のグラスワインはメロディのようなものだ」という思いから「OPUS ONE (作品第一号)」と名付けられています。

 

さすがにこれは飲んだ事がありません…。
アメリカのカルトワインの頂点に君臨する、世界中のワインコレクターが夢にまで見るワインです。
不動産業で成功を収めたジーン・フィリップス女史と、「ワイン界のファースト・レディ」と称されるハイジ・バレット女史
の2人の女性が作る、アメリカ最高峰のカベルネ・ソーヴィニョンです。

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つねご

・一般社団法人日本ソムリエ協会  ソムリエ ・一般社団法人日本ドイツワイン協会連合会  ドイツワインケナー ・一般社団法人ホールフード協会 野菜コーディネーター ・調理師 ・実はワインよりも釣りが好き→「まいにちワイン☆ときどき釣り」 https://mainchiwine.hatenadiary.jp/

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