ボージョレ・ヌーボーの評価など気にしないで【ヌーボーのキャッチコピー】

 

ボージョレー・ヌーボーを楽しもう

毎年11月の第三木曜日は、フランス・ボージョレ地区の新酒・ボージョレ・ヌーボーの解禁日。

「ヌーボー」は、農民が収穫を祝った事から始まったと言われていますが、
その年のブドウの出来を知るために、通常のワインよりも短期間で作られる「試飲新酒」の意味もあります。
短期間で醸造しているため、軽やかでフルーティーさが魅力の赤ワインになるのですが、
一部、雑な作りのワインもあるのも事実。
その為、フルボディな赤ワインが好きな方、熟成したワインが好きな方には敬遠される傾向があります。

とはいえ、ボージョレー・ヌーボーにも素晴らしいワインが沢山あるので、
偏見を持たずに楽しんで頂きたいと思います。
それよりも、その年の収穫を祝う意味で「新茶」や「初ガツオ」のように単純に楽しみたいものです。

「日本はボージョレー・ヌーボーで盛り上がりすぎ…」
と言う意見もありますが、大いに盛り上がって良いと思います。
縁起の良い初物好きの日本人の性格に合っているだけでなく、
この時期の鮭やキノコなどの秋の味覚にボージョレー・ヌーボーはピッタリだからです。

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ユニークなボージョレー・ヌーボーのキャッチコピー

ボージョレー・ヌーボーで毎年注目されるのが、その年の出来を意味する「キャッチコピー」です。
毎年、フランスのボージョレーワイン委員会が発表する、ボージョレー・ヌーボーの評価をもとに、
日本の販売業者がキャッチコピーを作ります。
何が注目されるかと言うと「今年はどうやってポジティブに表現するか…」という点です。
各年ごとに並べてみると、面白さがわかると思います。

2000:「出来は上々で申し分の無い仕上がり」
2001:「ここ10年で最高」
2002:「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」
2003:「100年に1度の出来、近年にない良い出来」
2004:「香りが強く中々の出来栄え」
2005:「ここ数年で最高」
2006:「昨年同様良い出来栄え」
2007:「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」
2008:「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」
2009:「50年に1度の出来栄え」
2010:「2009年と同等の出来」
2011:「2009年より果実味に富んだリッチなワイン」
2012:「ボージョレ史上最悪の不作」
2013:「みずみずしさが感じられる素晴らしい品質」
2014:「2009年の50年に一度のできを超える味わい」
2015:「今世紀で最高の出来」
2016:「エレガントで酸味と果実味のバランスがとれた上品な味わい 」
2017:「豊満で朗らか、絹のようにしなやか。しかもフレッシュで輝かしい」
2018:「理想的な条件の下、すばらしいヴィンテージへの期待高まる」

「ここ数年で最高」
「100年に1度の出来」
「今世紀最高」
どれが一番良かったのかわかりませんよね。
いかに良く表現するか…という努力を感じずにはいられません。
まぁ、細かい事はいいじゃないですか、お祭りなので…。

評価は気にしない

ボージョレー・ヌーボーのキャッチコピーや評価は気にする必要はありません。
何万円のワインを購入するのならば、色々な評価を知る必要はありますが、
毎年恒例のお祭りなので、ヌーボーの評価によって「飲む」「飲まない」を決めるなんて楽しくありません。

実際に、
「ボジョレー史上最悪の不作」の2012年のボージョレ・ヌーボーはいつも通り楽しめましたし、
「今世紀で最高の出来」の2015年は確かに美味しかったですが、腰が抜ける程ではありません。

評価が良い時はそれはそれで喜んで、悪い時(あまりキャッチコピーで悪くは言いませんが)は評価を忘れる…
お祭りなので楽しく飲みましょう。


 

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つねご

・一般社団法人日本ソムリエ協会  ソムリエ ・一般社団法人日本ドイツワイン協会連合会  ドイツワインケナー ・一般社団法人ホールフード協会 野菜コーディネーター ・調理師 ・実はワインよりも釣りが好き→「まいにちワイン☆ときどき釣り」 https://mainchiwine.hatenadiary.jp/

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