フランスに古くから根付くワイン文化
フランスは、古くから洗練されたワイン文化を持つ国であり、世界のワイン産出国の中でも、特に優れたワインを産出する国として有名です。ワインの産地は、北部の一部の地域を除いてフランス全土にあり、最高品質のものから、毎日食卓を飾るカジュアルなものまで、さまざまなワインが生産されています。その特徴を一言で表すのは非常に難しく、たとえば赤ワインであればボージョレ・ヌーヴォーのようなフレッシュなものから、ボルドーワインのような長期熟成されたずっしりとした重厚感のあるものまであり、幅広く楽しむことができます。
ワインの格付け
ワインの生産国では、それぞれの国において法律が定められており、生産地や生産方法などによって細かく階級が定められています。フランスにも国による法律であるワイン法のA.O.C(Appellation d’Origine Controlee (アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)、原産地統制名称)があり、ワインの階級が分かれています。2012年までは上位からA.O.C(原産地呼称統制ワイン)、VOVDQS(上質指定ワイン)、Vin de Pays(地酒)、Vin de Table(テーブルワイン)となっておりましたが、A.O.P(原産地呼称保護ワイン)、I.G.P(地理的表示保護ワイン)、Vin de Table(テーブルワイン)に変わりました。
A.O.P(原産地呼称保護ワイン):生産地域・使用品種が細かく定められ、畑まで細分化されたワイン
I.G.P(地理的表示保護ワイン):生産地域・使用品種が細かく定められているが、A.O.Pよりも畑の規定はやや緩やか
Vin de Table(テーブルワイン):生産地域の表示が無く自由に作られているワイン
フランスのワイン産地
フランスには10の主なワイン産地があります。
①シャンパーニュ地方
②アルザス・ロレーヌ地方
③ブルゴーニュ地方&ボージョレー地区
④ジェラ・サヴォア地方
⑤コート・デュ・ローヌ地方
⑥プロヴァンス地方
⑦ラングドック・ルーション地方
⑧南西地方
⑨ボルドー地方
⑩ロワール渓谷地方
フランスのワイン用のブドウの産地といえば、ボルドーとブルゴーニュです。ワインをよく知らない方でも、この2つの地名は聞いたことがあるでしょう。
ボルドーで生産されるワインは9割近くが赤ワインで、複数の品種をブレンドして作られるものが多いです。カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルローなど、さまざまな品種が使われ、比較的力強い味わいの、渋みもしっかりとしたワインが生産されています。白ワインはセミヨン、ソーヴィニヨンブランなど爽やかで溌剌としたワインが多いです。
ブルゴーニュでは、ブレンドではなく単体の品種で作られることが多く、赤ワインではピノ・ノワール、白ワインではシャルドネをよく使用します。味はボルドーのものに比べてマイルドな印象で、赤ワインでは渋みを抑えた香り高いものが多く、白ワインでは美しい黄金色の力強い味わいのものがよく作られます。
大陸性気候のシャンパーニュ地方、ブルゴーニュ地方、ロワール地方には、きれいな酸からくるエレガントなワインが多く、海洋性気候のボルドー地域は、酸味とコクのバランスが良く、地中海性気候のプロヴァンス地方、コート・デュ・ローヌ地方、ラングドック・ルーション地方は酸味の少ないボリューム感のある味わいが多い傾向にあります。
フランスワインの楽しみ方
フランスはもともとブドウの生産に適した気候と土壌であり、古くからワインを楽しんでいました。現在でも、そのワインの質の高さから世界中で愛されています。フランスで生産される高級なワインなどはなかなか手の届かないものもありますが、産地や銘柄によってさまざまなものがありますので、まずはカジュアルなものから楽しんでみるとよいでしょう。また、地域によって味わいが違うので色々と試してみると、自分の好みの地域がわかります。
フランスワインには他の国のワインには無い、歴史と伝統から醸し出される特別な存在感があります。大切な人と大切な時間を過ごす時には、ぜひフランスワインを選んでみてください。
知っておきたいフランスワイン
つねご
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