まさに多様性!個性の集まりイタリアワイン

歴史

イタリアは、現代では世界一位を争うワイン生産量のワイン大国です。ワインが作り始められたのは紀元前3世紀〜4世紀、ギリシャ人が古代ローマにブドウ栽培とワインの製法を伝えたと言われています。
ギリシャ人が伝えた優れたブドウ栽培の技術とイタリアの土壌に適したブドウの苗を栽培したことから、糖度が高くて高品質なブドウが育っていったのです。
当時のギリシャ人は、ローマのことを「ワインの大地」と呼び、優れたワイン用ブドウ産地と讃えていたそうです。
その後、ローマ帝国がヨーロッパ全域に勢力を広めていくとともに、ワイン造りの技術が他の国や地域に広がっていったのです。

生産地

南北に長く伸びた国土のイタリア20州すべてでワインが生産されています。
それぞれの地域の特色が色濃く表れ、同じ国のワインとは思えないほど様々な個性がでています。
その中でもイタリアで代表的な生産地をご紹介します。

ピエモンテ州

アルプス山脈の南側に位置する州で、山岳・丘陵地帯が多く、夏は暑く冬は寒い大陸性気候です。
ピエモンテを代表する黒ブドウ品種「ネッビオーロ」から造られる高級赤ワイン「バローロ」「バルバレスコ」が有名です。

 

ヴェネト州

水の都ヴェネツィアがあるヴェネト州は、イタリアで1、2のワイン生産量を誇る一大ワイン産地です。
アルプス山脈が冷たい北風を防ぎ、南部に広がるアドリア海のおかげで温暖な気候を保つことができます。
色々な種類のワイン用ブドウが栽培されていますが、やはり注目はイタリアの最高級ワイン「アマローネ」を生み出すヴェローナ地区。
完熟したブドウを3〜4カ月ほどかけて陰干してエキスが凝縮され、糖度が高くなったブドウ果汁を発酵させて作られることから、アルコール度数が高くて凝縮された旨味と苦味、甘い香りなどを備えたリッチなワインが出来上がるのです。

 

トスカーナ州

イタリア文化の重要な中心地であるトスカーナ州、「イタリアワイン・ルネッサンス」の牽引役となったキャンティ・クラシコ地区が特に有名です。
丘陵地帯が多くて内陸部は大陸性気候ですが、海岸部は地中海性気候で温暖です。赤ワインの生産が8割以上を占めます。
その他にも、ボルゲリ地区で造られる「サッシカイア」「オルネライア」などのワインも有名で「スーパートスカーナ」と呼ばれています。

シチリア州

イタリア半島の西南に浮かぶシチリア州はイタリア最大の州です。ギリシャ人からワイン造りが伝えられたと言われており、イタリア最古のワイン産地と言われています。
魚介類と相性の良い白ワインを多く産出しており、イタリアの中では珍しく白ワインが多く作られている地域です。ブレンド用の大量生産のワインを多く作る地域ではありますが、近年、高品質を目指す意欲的なワイナリーが多くなってきています。


イタリアワインのブドウ品種

その昔、ヨーロッパワインのブドウ品種・ヴィティス・ヴィニフェラは、中央アジアからギリシャを経て、南イタリアから北上してヨーロッパ全土に伝わりました。いわばイタリアはヨーロッパ品種の玄関口でした。その影響もあり、南北に国土の広がるイタリアでは、それぞれの気候に合わせてさまざまな固有品種が残っています。

サンジョベーゼ

イタリア全土で最も生産されている赤ワイン用のブドウの品種です。サンジョベーゼから作られるワインはくっきりとした酸味が特徴で、渋みもしっかりしており、豊かな果実味が感じられます。突然変異の多い品種なので、それぞれの地域で違った味わいのワインが作られています。
しっかりとした酸とタンニン、スミレやブラックチェリーを思わせる香りが特徴的な「キアンティ」「キアンティ・クラシコ(キャンティ・クラシコ)」「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」など長期熟成能力の高い優れたワインが造られています。

トレッビアーノ

トレッビアーノはイタリア原産の白ワイン用の品種で、フランスではユニ・ブランと呼ばれています。酸味が強く、フレッシュな果実の香りが特徴で、フルーティな若々しいワインが作られます。主にブレンド用として利用され、イタリアで生産される白ワインの約3分の1に使われているほどポピュラーで、さまざまな銘柄のワインの原料となっています。

ネッビオーロ

ピエモンテ州やロンバルディア州で栽培される、赤ワイン用のブドウの品種です。イタリアを代表する高級ワインの原料として利用されています。ネッビオーロから作られる赤ワインは強いタンニンの味わいと酸味が特徴で、「ワインの王」とたたえられるバローロは、長期熟成のポテンシャルを持ち、力強く濃密なワインです。

バルベーラ

イタリア原産の赤ワイン用のブドウの品種です。イタリアではサンジョベーゼに次いで多く栽培されています。タンニンが少なく、酸味が豊かで濃い色調のワインが作られます。ブレンド種としても重宝され、また、長期熟成もできる品種です。

イタリアワインの楽しみ方

イタリアワインは様々な個性を持ったワインが多く、手頃で美味しいワインが沢山あります。なので一言で何を選ぶか…というのは難しい所であり、イタリアワインの面白さでもありますその中でも傾向としては、辛口の赤ワインならトスカーナ州のワイン、魚介と合わせる白ワインならシチリア州のワイン、そして高級ワインならヴェネト州ワインを選ぶのが良いかと思います。
また、郷土料理はその地域のワインと良く合うので、食べる料理の地域を調べてその地域のワインを選んでみると良いでしょう。例えば、マルゲリータならカンパーニャ州のワイン。カルボナーラならラツィオ州のワイン…と合わせてみると楽しくなります。


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つねご

・一般社団法人日本ソムリエ協会  ソムリエ ・一般社団法人日本ドイツワイン協会連合会  ドイツワインケナー ・一般社団法人ホールフード協会 野菜コーディネーター ・調理師 ・実はワインよりも釣りが好き→「まいにちワイン☆ときどき釣り」 https://mainchiwine.hatenadiary.jp/

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