情熱の国、スペインが生み出したワイン

スペインワインの歴史

スペインのワインは、さまざまな民族の文化の影響を受けて現在にいたっています。
スペインワインは紀元前1100年にフェニキア人によるブドウの栽培から始まり、イスラム教徒の侵略によるブドウ畑の破壊などの紆余曲折を繰り返しながら、15世紀末の大航海時代にワイン貿易で繁栄します。
大量生産を目的としたワイン造りの時代がありましたが、近年は量より質を重視する方向に大きく転換しました。
その為、今まで無名な生産地も世界的に注目され、スーパースパニッシュと呼ばれるワインが次々に誕生し、スペインは世界のワインラヴァ―から熱い視線が送られています。

スペインワインの生産地

南ヨーロッパのイベリア半島にあるスペインは、ヨーロッパの中でもスイスに次いで山が多く、国土の平均標高は660メートルと言われており、ブドウ栽培に適した土壌と気候に恵まれています。
石灰質土壌、スレート土壌、粘土質土壌など様々な土壌と、地中海性気候、大陸性気候、西岸海洋性気候と様々な気候帯とが複雑に絡みあい、バラエティー豊かなワインを生産しています。
北部地方を代表するリオハ、大西洋地方のガルシア州、地中海地方のカタルーニャ州、内陸部地方のカスティーリャ・ラ・マンチャ州、南部地方のアンダルシア州が主な産地です。

スペインのワインの特徴

スペインワインは、古くて小さな樽で何年も熟成させ、過度に酸化が進んだ風味が上質なワインの証であるとされてきました。
そのため、長期熟成することに価値があるとされており、熟成期間による4種類の格付けがあります。

Grand Reserva(グラン・レセルヴァ)
最上級の格付けで、赤ワインは樽で2年以上、瓶で3年以上熟成。白、ロゼは4年熟成以上のワイン
Reserva(レセルヴァ)
2番めの格付けで、赤ワインは3年以上熟成。白とロゼは2年以上熟成させたワイン
Crianza(クリアンサ)
3番目の格付けで、赤ワインは2年以上熟成。白とロゼは2年以上熟成させたワイン
Joven/Sin Crianza(ホーベン/シン・クリアンサ)
一番下の格付けで、樽熟成12ヶ月以下のもの、樽熟成を行わないフレッシュなワイン

また、スペインを代表するワインといえば、カヴァシェリーと言えるでしょう。
カヴァはスペイン特有のスパークリングワインで、フランスのシャンパンと同じ瓶内二次発酵で作られたワインで、炭酸が強く、すっきりとした味わいです。食前酒などによく用いられます。
ちなみに、下世話な話ではありますが、「芸能人格付けチェック」なるTV番組で、フランスの有名高級シャンパンと比較されたのがスペインのカヴァで、著名でセレブを名乗る芸能人がことごとく騙されたほど、スペインのカヴァの味わいはフランス産シャンパンに比肩するといえるでしょう。
シェリーは、白ブドウから作られ、アルコールを添加して作られる酒精強化ワインです。極甘口のものがよく知られていますが、甘口、辛口のものまで大きく分けて3タイプあり、さまざまな料理に合わせることができます。
その他、アンダルシア地方の甘口の酒精強化ワイン・マラガ、フルーツを漬け込んだフレーバードワイン・サングリアなども、スペインらしいワインと言えます
スペインワインは、赤ワインの印象が強いですが、白ワインも多く作られ、年によっては赤ワインと同じくらいの生産量になる事もあります。

スペインを代表するブドウ品種

スペインのワインを構成するブドウ品種は、長い歴史の中でバラエティー豊かな固有品種が残っています。

テンプラニーリョ
スペインで最も多く栽培されている赤ワイン用のブドウの品種です。
スペイン全土で栽培されていますが、有名なのはリオハのもので、
リオハワインの原料となっています。
ワインは深みのある赤色で、ずっしりとしたフルボディのものが多く、
くっきりとした酸味があるのが特徴です。
早飲みタイプの手頃なワインから、長期熟成型の高級ワインまであります。

ガルナッチャ(グルナッシュ)
赤ワイン用の代表的な品種です。
フランスではグルナッシュと呼ばれるガルナッチャは、
スペイン語では宝石のガーネットの意味で、明るい朱色のものがよく作られます。
味はまろやかで、渋みが少なく果実味の豊かなワインが生まれます。
軽やかな味わいから、ブレンド用としてもよく利用されています。

モナストレイル
原産はバレンシア州ですが、フランスを始め世界中でムールヴェ―ドルとして栽培されています。
小さい粒がぎっしり詰まった黒ブドウで、
干ばつに強いのですが、豊富な日射量を必要とします。
成熟が遅く、完熟が難しいブドウ品種。
かつては安価なワインの印象が強かったのですが、
近年は栽培管理と醸造家の技術により、果実味豊かなモダンなスタイルの高品質
ワインが沢山生まれるようになりました。

ヴェルデホ
スペインでは古くから栽培されている、白ワインの代表的な品種です。
スペインの内陸地方カスティリャ・イレオン州でおもに栽培されています。
ヴェルデホから作られるワインは果実味が強くフルーティで、香りもよく、
酸味のバランスもよいため、まろやかな風味の白ワインによく利用されています。

アルバリーニョ
スペイン白ぶどうの中で最も高貴な品種とされる。
黄色味を帯びたレモンイエローの外観で、柑橘系や黄色い熟した果実、桃の花のような香りが豊かです。
南フランス、ローヌ地方のヴィオニエにも似ており、酸はやや控えめで、トロッとした口当たり。
滑かでフレッシュ、ミネラル感を感じて、旨味、深み、奥行きがあります。

マカベオ
スパークリングワインのカヴァに使われる、白ワイン用の品種です。
チャレッロ、パレリャーダとともにカヴァの三大主要品種とされています。
やや酸味が強いのが特徴で、すっきりとした味わいがあります。
カヴァ以外でもブレンド品種としてよく使われています。

知っておきたいスペインワイン


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つねご

・一般社団法人日本ソムリエ協会  ソムリエ ・一般社団法人日本ドイツワイン協会連合会  ドイツワインケナー ・一般社団法人ホールフード協会 野菜コーディネーター ・調理師 ・実はワインよりも釣りが好き→「まいにちワイン☆ときどき釣り」 https://mainchiwine.hatenadiary.jp/

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