スパークリングワインの中でも、最も華やかで豪華なワイン、シャンパーニュ。
最初にシャンパーニュを出されて、文句を言う人はほとんどいないのでは…。
シャンパーニュには、歴史と伝統そして厳しい規定があります。
シャンパーニュが完成するまで、通常のワインよりも多くの工程があるので、
他のワインと比べて、価格が高めなのも仕方がないのかもしれません。
シャンパーニュ造りの最後の工程が【門出のリキュール】です。
その言葉自体がとてもオシャレなので、今回はそれだけを取り上げました。
シャンパーニュが出来るまでの工程
せっかくなので、シャンパーニュが出来るまでの工程を簡単に説明します。
①ベースのワインを作る(一次発酵)
ベースになる白ワイン、もしくはロゼワインを作ります。
②ブレンド(アッサンブラージュ)
シャンパーニュは、安定した品質を保つために、複数の原酒をブレンドして造られます。
原酒は毎年保存されていて、違う年・違う畑の原酒をブレンドして作られます。
③瓶詰(ティラージュ)
ブレンドされたワインと、糖分と酵母を加えて瓶詰めします。
④瓶内二次発酵
瓶の中で酵母が糖を分解して、アルコールと二酸化炭素(炭酸ガス)になります。
6~8週間で二次発酵が終わり、酵母が澱になります。
⑤澱と一緒に熟成させる
15か月以上、澱と共に寝かせる事によって、旨味が徐々にワインに移ります。
⑥倒立
澱を瓶口に集めるために、下に向けた並べます。
⑦動瓶(ルミアージュ)
5~6週間に渡り、毎日少しずつ瓶を揺らしながら回し、澱を瓶口に集まます。
⑧澱抜き(デゴルジュマン)
瓶口をマイナス20℃の塩化カルシウム水溶液つけて、
澱を凍らせて外に飛び出させます。
⑨門出のリキュールの添加(ドサージュ)
酵母が糖分を分解して無くなったため、ワインに糖分を加えたリキュールを加えます。
⑩打栓、ラベル張り
「簡単に説明…」と言っても、これだけの工程になります。
「そりゃ、シャンパーニュは高い訳だ…」と納得できます。
また、これだけ沢山の工程を経てきたので、
最後の工程を「門出のリキュール」と言いたくなる気持ちもわかりますよね。
「門出のリキュール」の量の違い
「門出のリキュール」であるドサージュの量によって、
シャンパーニュの甘口~辛口が決まります。
それはエチケット(フロントラベル)に記載されてる「BRUT」などでわかります。
シャンパーニュの1Lあたりの残糖量(g)によって次のような明確な表示規定があります。
残糖量が少なくなるにつれて、辛口になります。
Doux ドゥー (50g/L以上)
→Demi Sec ドゥミセック (33~50g/L以下)
→Sec セック (17~35g/L以下)
→Extra Dry エクストラ ドライ (12~20g/L以下)
→Brut ブリュット (15g/L以下)
→Extra Brut エクストラ ブリュット(6g/L以下)
→Ultra Brut ウルトラ ブリュット もしくは Brut Zero ブリュットゼロ (3g/L以下)
同じメーカーでも、ドサージュの違いによって
辛さが違うのでしっかりと確認をしておかないと、
「思っていたより甘かった!」となりかねません。
厳しい規定と、数々の工程を経て、丁寧に作られるシャンパーニュ。
わが子のように大切に育てられたシャンパーニュは、
最後の工程「門出のリキュール」で世の中へ送り出される準備が整います。
そんな作り手の思いの込められたシャンパーニュは、
やはり大切な方への門出のプレゼントにピッタリです。
つねご
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